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2005年11月 9日 (水)

スキップきっぷ   大人版



作 籠原陽子   絵・語り 田村浩子  音楽 山下孝之

 窓

マルコイ 「ス キップが上手になりたいブタさんに  スキップきっぷをプレゼントすること」
これがサンタ学校の卒業テストでした。
サンタ見習いのマルコイはこれができないと本当のサンタになれないのです。

『スキップきっぷなんて見たことがないよ。』
マルコイは考えてしまいました。


マルコイには、昔サンタをしていた大好きなおじいさんがいました。
マルコイは、さっそくおじいさんに聞いてみました。
『今度のクリスマス、ぶたさんにスキップきっぷをプレゼントしなきゃいけないんだ。僕どうしたらいいだろう?』

おじいさんは少し考えてから答えました。

『スキップが上手な誰かを探して聞いてごらん。
スキップきっぷを手に入れてスキップが上手になったのかもしれないよ。でも、』

おじいさんは、優しいけれど真剣な目をして続けました。

『わしも今まで見たことがない。少し大変な仕事だぞ、やれるかな。』

『僕はどうしても、おじいさんのようなサンタになりたいんだ。』
おじいさん

コアラ まず始めに、 いつも楽しそうにお店に並べ るお花を摘んでいる花屋のコアラさんに聞きました。

『ねえ、コアラさん。君がスキップが上手なのはスキップきっぷのおかげなの?』

コアラさんが不思議そうに答えました

『そんなきっぷは知らないわ。私はお花を摘むのが大好きなの。
ここには黄色いチューリップ、あっちには赤いバラ、向こうには白いマーガレット。
そんな風にお花畑にいると楽しくて自然にスキップしてしまうの。』
 
マルコイはちょっと残念でしたが、最初から見つかるわけがないさ、と歩き出しました。

次に、いつも うれしそうにお手紙を配達している郵便屋のゾウさんに聞きました。

『ねえ、ゾウさん。
君がスキップが上手なのはスキップきっぷのおかげなの?』

ゾウさんは笑いながら答えました。

『そんなきっぷがあるのかい?
僕は、手紙を受け取った時の、みんなの笑顔を見るのがうれしいんだ。
この手紙は、しばらく会っていない羊さんのお母さんからのお手紙だから羊さんきっと喜ぶだろうな。
なんてことを考えながら配達をしていると、自然にスキップしちゃうんだ。』

『でも、僕は体が重いでしょ、だから僕がスキップすると地面が揺れてみんなびっくりしちゃうんだよね。
ほらスキップってさ、地面を軽く蹴るでしょ』

マルコイは『もっと探してみよう』と、歩き出しました。

ゾウさん


うさぎさん

次に、いつも 素敵な歌声を聞かせてくれる歌手のウサギさんに聞きました。

『ねえ、ウサギさん、君がスキップが上手なのはスキップきっぷのおかげなの?』

ウサギさんはちょっと困ったように答えました。

『そのきっぷには何が書いてあるのかしら。
楽しいことでも書いてあるの?
私は、楽しい歌を歌っていると自然にスキップしているわ。
たとえば、早起きして青空を見たときの歌や、
会いたかった人にやっと会える歌、
おしゃれしてパーティーに出かける歌。
歌を歌えば、スキップなんてむずかしいもんじゃないわよ。』

マルコイはしばらく考えていました。
そして・・・

『スキップきっぷなんて、ないのかもしれない。でも、 僕にできることはきっとあるはずなんだ』

そしてふと、 昔サンタだったおじいいさんのことを思い出しました。
おじいさんは、優しいけれど真剣な目をして、こう言っていました。

『スキップきっぷなんて、わしも今まで見たことがない。
少し大変な仕事だぞ、やれるかな?』

そして、マルコイは自分がおじいいさんに言った言葉を思い出しました。

『僕はどうしても、おじいさんのようなサンタになりたいんだ』

マルコイおじいさん



窓 クリス マス・イブの晩にはたくさんの雪が降りました。
そして、ブタさんの枕元にはマルコイが届けたプレ ゼントが置いてありました。
眠るブタさん



きっぷ





クリスマスの朝
クリ スマスの朝、雪で真っ白になった町の中を楽しそうにスキップするブタさんがいました。
少し離れた屋根の上に座るマルコイは、サンタの帽子を誇らしげにかぶりうれしそうに微笑んでいました。




作 籠原陽子   絵・語り 田村浩子  音楽 山下孝之

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コメント

ほのぼのしたお話でした。優しい気持ちになれますね。子供達にも聞かせたいと思います。

投稿 ともちゃん | 2005年12月12日 (月) 22時20分

思わず眠ってしまいました。読み聞かせとはこうあるべき?!
私も見習いたいです。音楽もべりーぐっど。

投稿 sarahmama | 2005年11月22日 (火) 09時40分

はじめまして。
クジラさんとお友達の隣の家の方に
こちらを教えていただきました。

色鉛筆の優しい色が、朗読と音楽と物語にぴったりあっていて、
とても心地よかったです。

私も絵本の勉強をしています。
絵本関連の記事ではなくて、日常生活のブログですが、
もしよろしければ、私のブログにリンクを貼らせていただきたいです。

投稿 れみ | 2005年11月13日 (日) 12時33分

もうすぐクリスマスなんだなぁ・・・と、個人的に切なくなりました。動画で見たほうが、より深く感じました。楽しくスキップを踏めるようになったブタさんがとてもかわいいです。

投稿 KGB | 2005年11月 9日 (水) 22時41分

こもりうたのように心地よい声と音楽とお話でした。
これからの季節、こどもたちに聞かせてあげたいです☆

投稿 おりえ | 2005年11月 9日 (水) 22時40分

ブタさんカワイイ

投稿 amail | 2005年11月 9日 (水) 22時33分

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