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2007年10月16日 (火)

空のペンキ屋さん


作 かごはら ようこ   絵 くらの ひろこ

空の色はいろいろだけど、実は
僕たちが毎日せっせと空にペンキを塗っているんだ。





晴れた空には、
澄んだ青を使うよ。 

曇りの空は、
ちょっとむずかしい。

白色ペンキと
黒色ペンキの混ぜ方で、
グレーの色が少しずつ
違ってくるんだ。

雨の降ったあとは、とっても楽しいよ。

だって、
七色のペンキをぜ〜んぶ使って
虹を書くんだから。

ある日、
僕たちが
いつものように
空にせっせとペンキを
塗っていました。


きれいな水色を作るため、
青色ペンキに混ぜる白色ペンキの
缶のふたを開けました。



そしたら、ペンキのたくさん入った缶が転がって、

白色ペンキが全部、
町や森や海に
こぼれてしまいました。



 
何もかもが真っ白です。


『早く元の色に戻さなきゃ。』


僕たちは、
あわてて森や海に
ペンキを塗りました。



でも、たくさんの人や
家の色までは分かりません。

そこで、みんなに仲良しどうしで色を塗りあってもらうことにしました。

一人の女の子は、
おともだちのビーズのネックレスを
瑠璃色に塗りました。


おともだちは、
女の子のくつを赤く塗りました。

パパはママのスカートをオレンジに、

ママはパパのジャンパーを
こげ茶色に塗りました。


お隣さんのお家の屋根は赤く、窓は黄色に塗りました。

みんな、相手の着ていた服や家の色をすぐに思い出して、
ペンキでさっさーっと塗りました。

でも、
けんかをしていた恋人たちと兄弟は、
なかなか相手の色を思い出せません。


ずっと口もきかず、
顔を見てもぷいっと
そっぽを向いていたからです。


 しかし、真っ白なままではいられません。
お互いに一生懸命に相手のことを考えました。


そして、彼は彼女の大好きだった
向日葵の柄のスカートを思い出しました。


彼女は、いつも彼がつけていた
水玉のネクタイを思い出しました。


お兄ちゃんは弟の緑の野球帽を、

弟はお兄ちゃんの
大きめの青いシャツを思い出しました。

『とっても似合っていたなぁ。』

みんな、
お互いのことを思い出しているうちに、
けんかをしていることを忘れて
楽しそうにペンキを塗っていました。



『元の色とちょっと違うけど、いいかっ。』


 世界がもっとすてきになったようでした。





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コメント

いつう くむ さん コメントありがとうございます。
少しでも安らぎを感じて頂けたなら、とても嬉しいです。
思いやり..大切なことですよね。

投稿 くじらひろこ | 2007年10月17日 (水) 17時24分

毎日忙しく時の過ぎ行く、このコンクリートジャングルの中で、ひとときの静寂と安らぎをいただきました。人を思いやるその気持ちが、自分をも幸せにするんですよね!今後も素敵な作品を期待しています。

投稿 いつう くむ | 2007年10月17日 (水) 15時26分

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